私たちが「エコ」を考える理由 今さら聞けない地球温暖化の原因と影響
近年よく耳にするようになった『エコ』という言葉。街に出かけると色んなところでエコバックやエコポイント、エコ家電、エコカーなど、「エコ」とつく言葉をよく耳にすると思います。
エコが地球を守るため、地球温暖化を阻止するために使われる言葉だということは、みなさんもご存知だと思いますが、地球温暖化の原因や影響について説明できるでしょうか。
今回は私たちがエコについて考えるその理由を改めて考えていきたいと思います。
地球温暖化ってなに?
地球の気温は、近年高くなってきています。これは二酸化炭素やメタンなどの『温室効果ガス』が大気中に増えすぎたことが原因です。
増えすぎた温室効果ガスは地球を全体を覆い、太陽の光で温められた地球の熱を閉じ込めてしまい、地球を温め続けます。
温室効果ガスが増えすぎてしまった理由のひとつ。
18世紀に始まった産業革命に伴い、人間は生活や産業活動にたくさんのエネルギーを消費するようになったことです。
石油・石炭・天然ガスなどの化石燃料の使用が急増し、大気中の二酸化炭素の量は産業革命以前(1750年頃)と比べると約40%も増加しています。
工場で使われる燃料、自動車やバスなどの交通機関の燃料、暖房を使う時の燃料として化石燃料は燃やされています。
そして、私たちが使う電気は、発電所で石油や石炭を燃やして作られているので、私たちが電気を使うたびに二酸化炭素は排出されているのです。
そしてもう一つの大きな原因は森林伐採です。
植物は光合成によって、二酸化炭素を吸収し、酸素と炭素を作り出していますが、近年多くの森林が伐採され、土地が開発されていることも二酸化炭素の増加の原因の一つです。
ですが、温室効果ガスがゼロになってしまうと、すべての熱が放出され、地球の表面温度は-19℃となってしまうと考えられています。
地球には必要不可欠な温室効果ガス。私たちが現在している『エコ』な活動は、増えすぎた温室効果ガスを適量まで減らし、美しい地球環境を取戻すことです。
地球温暖化の影響
地球の気温が上がるとどうなるのか、私たちが地球温暖化を阻止する理由について見ていきましょう。
異常気象
温暖化が進むと、大気中により多くの水蒸気を蓄積するため、一度に大量の雨が降ったり、台風の勢力が強くなると考えられています。
近年日本でも大きな被害をもたらしている異常気象。川の反乱や、土砂崩れによって家が潰されてしまったり、強い風によって飛んできた看板やガラスでケガをする人もいます。
連日の猛暑や集中豪雨による農林水産被害も大きく、私たちの暮らしを脅かし、時には命に関わる深刻な問題です。
森林火災
山や森林で広範囲にわたって発生する森林火災は世界各地で起こっています。
森林火災の主な原因は空気の乾燥です。温暖化による気候変動によって、雨が少なくなり、干ばつや乾燥が起こりやすい状況になっていることから火災が起きると考えられています。
草木が燃えてしまえば、そこに住む動物たちにも大きな影響があるほか、二酸化炭素を吸収する役割を果たす植物が減少することによって、地球温暖化の加速、さらなる森林火災が起こる可能性が高まるという悪循環に陥ってしまいます。
動物への影響
北極に暮らすホッキョクグマは、北極の氷の上で主食であるアザラシを狩ります。しかし地球温暖化で氷が溶け出す時期が早まり、狩りができる時期が短くなったため、十分な獲物が獲れず、衰弱してしてしまうケースが多く報告されています。
また海に住む生き物たちにも多くの影響をもたらしています。
日本の沖縄近海でも見られるサンゴ礁は、海面上昇や海の温度に大きく影響を受けます。環境ストレスによってサンゴの白化現象が進み、これが深刻化するとサンゴは死滅、絶滅の恐れがあります。
その他にも気温や天気の変化によって、干ばつに見舞われる農地が増加し、農作にも大きな被害をもたらします。そして食料の生産量が下がると、飢餓状態に陥る地域が増える可能性が出てきます。免疫力が低くなった人々に病気かかったり、蚊の発生の増加でデング熱やマラリアの流行が起こり、被害が拡大するおそれがあります。
これらの様々な被害をこれ以上増やさないために、私たち一人一人ができることで二酸化炭素の排出量を減らし、地球温暖化を止める必要があります。私たちのアクションは、地球で暮らす全ての生き物を守るために必要なアクションです。
なぜ『エコ』な行動をするべきなのか。その理由を知っているだけで、自然と意識が変わっていくと思います。