CSR、CSV、SDGs、ESG、ESD それぞれの意味を知っていますか?
企業のホームページを見ると「CSR活動」と記載されているページを多く見かけていましたが、昨今は「CSR」よりも「SDGs」が目につくようになってきました。
さらに、「SDGs」と共に「ESG」もよく見かけるようになってきました。
これらは全て英語の頭文字でできています。
使い方や意味はそれぞれ違うので、ビジネスマン・営業さんは、その違いをしっかり覚えておきましょう。それぞれの意味を知っているかどうかで、クライアントとの会話がしやすくなりますよ。
CSRとは
大・中規模の国内の企業ホームページを見ると、必ずと言って良いほどページが用意されていた「CSR活動」。
CSRは「Corporate Social Responsibility」の頭文字からできています。「企業の社会的責任」と訳され、会社の利益ばかりを求めるのではなく、社会をよくするために行動することを言います。
主に、環境保全や社会貢献、労働環境改善、投資家への説明責任を果たすためのIR(インベスター・リレーションズ 投資家向けの広報)を指します。
各企業これに当てはまる活動として、植林活動や地域の清掃活動、女性積極雇用、ホームページでのIR情報掲載などが行われています。
CSVとは
「Creating Shared Value」の頭文字でできており、「共有価値の創造」と訳されます。社会課題を解決することによって、社会と経済両方を想像するという経営モデルのことで、アメリカ合衆国の経営学者マイケル・ポーター教授によって提唱されました。
例えば、ドライフルーツを製造販売する企業が、形の悪い果物の廃棄を防ぐために、小さなドライフルーツを新しい商品の材料として企画し、この果物を利用して食品ロスと新商品の販売を行うというもの。
食品ロスの問題を解決する事と同時に、小さなドライフルーツを利用した新商品の開発が行えるという、社会と経済両方にとってのメリットが生まれています。
SDGsとは
2030年までに達成すべき開発目標として、17の目標と169のターゲットが設定されたもので「持続可能な開発目標」と訳されます。持続可能な社会は「環境」「経済」「社会」のバランスがとれたもので、環境保全と経済成長、そして途上国の貧困や教育といった社会的側面を充実させることが必要と考えられています。
CSRは必ずしも企業の事業や強みを生かしたものでなくてもよく、慈善事業・ボランティアに近いものになります。一方CSVは、社会問題の解決と企業の利益を同時に実現させるためのものです。
SDGsには、世界の様々な問題に対する目標が設定されているため、CSR・CSVの参考になります。そのため、SDGsはCSR・CSVのベースとして利用することができます。
そして、SDGsは「世界の目標」である点が重要です。持続的な世界・社会を実現するための共通言語/目標であり、ビジネスやソーシャル、地域や日本、世界に関わらず、一つの活動として世界と繋がることができるという特徴があります。
ESGとは
環境、社会、企業統治の英字(Environment、Social、Governance)の頭文字を取って作られた言葉が「ESG」です。企業が成長し続けるための重要な3つの要素としてあげられています。
売上・利益を求め、成長し続けようとする企業によって引き起こされる「環境汚染」「労働問題」を解決するための新しい考え方として生まれたもので、SDGsと共に取り組む企業が多くあります。
また、ESGを意識した経営は「ESG経営」と言われ、それに着目し投資を行うことを「ESG投資」と言い、ESGによって変化した経営スタイルが投資家にとって良い印象となった場合に「成長し続ける企業」として投資対象となります。
SDGsに取り上げられている世界的な問題に対して、企業で取組んでいることが「環境問題」「社会問題」に対するものであれば、残りの「企業統治」に対してどのように取組むかを決定できれば、ESGもSDGsにも取組んでいる企業となります。
ESDとは
(Education for Sustainable Development)の略で「持続可能な開発のための教育」と訳されています。SDGsの目標にある環境・貧困・人権といった様々な世界の問題を、自らの問題として捉え、一人ひとりが自らできることを考え、実践していくことを身に付ける学習や活動のことです。
要するに、ESDは持続可能な社会づくりの担い手を育む教育ということになります。
これまでに記載した「CSR,CSV,ESG,SDGs」とは違い「教育(Education)」に関する言葉となりますが、SDGsと深く関わりのあるものです。
それぞれの違いは「日本語訳」にすると理解しやすいと思います。
- 【CSR】企業の社会的責任
- 【CSV】共有価値の創造
- 【SDGs】持続可能な開発目標
- 【ESG】環境・社会・企業統治
- 【ESD】持続可能な開発のための教育
簡単にまとめると下記のようになります。
- 【CSR】企業や団体が取組む社会貢献
- 【CSV】企業の利益と社会問題の解決がどちらもできる
- 【SDGs】世界で取り組むべき問題への目標
- 【ESG】企業が成長し続けるための重要な3つの要素
- 【ESD】未来のための教育
ビジネスシーンでも登場するこれらの言葉をちゃんと理解して、スムーズな会話のやりとりが行えるようにしておきましょう。