知識ブログ

もったいない!ドギーバッグを利用して「食品ロスのゼロ」に貢献!

ドギーバッグ
飲食店だけにとどまらず、食品メーカーやスーパー、家庭でも大規模なものからさまざまな取り組みが行われています。
例えば、スーパーなどで並べることができない、形の整っていない野菜を廃棄せず、別の目的で利用する。
購入されにくい時間帯や曜日は製造数自体を少なくする。
食べ残しをなるべく少なくするために作りすぎないようにするなど。

このように、食品ロスは、家庭での廃棄や小売店での売れ残り、飲食店での食べ残しなどから発生します。
多くの食品を輸入に頼っている日本ですが、廃棄する量も多いというのが、なんだかおかしな日本の特徴です。

飲食店を利用する私たちであれば、

  • もったいない…
  • 持って帰れたらなぁ…

と思ったことは誰にでもあると思います。

もし、この食べきれなかった料理を持ち帰ることができれば

  • 食品ロスを少なくできる
  • お店側の廃棄コストを減らせる
  • お家でもお店の味を楽しめる

などのメリットがいっぱいです。

みなさんも、この「食べ残しの持ち帰り」取り組んでみませんか?

アメリカや中国、台湾では食べ残しの持ち帰りは当たり前

アメリカや中国台湾では

食べ残しがあった場合に、どうやって持ち帰るのか。その持ち帰り用の容器のことをドギーバッグと言いますが、みなさんご存知でしょうか?
ドギーバッグとは、主に飲食店で利用されるもので、食べきれなかった食べ物をそのまま廃棄するのではなく、利用者に持ち帰ってもらう容器のことを指します。
そもそもは、愛犬(ドギー)にも分けてあげるためと持ち帰ったことから、この名がついたとされています。

アメリカでは高級レストランでも残った食べ物を持ち帰られるところもあるほど一般的な取り組みで、中国や台湾でも一般的に行われています。
この記事を書いている私の実家では、昔母親が食べ残しを容器に入れて持ち帰っていたことを思い出しましたが(もちろん、お店の人に断っていましたよw)、なぜ昨今の日本では、こういった行動があまり見られなくなったのでしょうか。

衛生上の問題

衛生上の問題

食べ残しを持ち換えられない一番の原因は「衛生上の問題」にあります。
もし、お店で食べ残したものを容器に入れて持ち帰り、それを食べた後でお腹の調子が悪くなったとなれば、お店の責任でしょうか?持ち帰った人の責任でしょうか?
このコロナ禍でも、テイクアウトOKの飲食店を多く見かけるようになりましたが、やはり気になるのは食中毒などの問題です。できたてを温かいうちにお店で食べるのは問題ありませんが、持ち帰る間に菌が増殖したりするケースは必ずあると思います。
それによって食中毒になれば、提供するお店側の問題でもありますし、口頭で伝えられる「〇〇分以内に食べてください」などの言葉を無視する利用者も悪いといったところです。
そんな問題があるため、なかなか食べ残しの持ち帰りOKと言いにくい場合がありますが、一部の飲食店では食べ残し持ち帰りOKのお店も増えているようです。
ファミリーレストラン「デニーズ」では、2019年4月から食べ残した料理を持ち帰ることができるようになりました。(運営セブン&アイ・フードシステムズ)
ワタミ株式会社でも、以前から持ち帰り専用容器をお店で提供していましが、2019年11月中旬からは、より環境に配慮したバイオマスプラスチックの容器に変更する取り組みが行われています。
もちろん、衛生上の問題(食中毒など)が解決しているわけではありませんので、持ち帰りは自己責任となります。

食べ残しの持ち帰りは自己責任

食べ残しの持ち帰りは自己責任

平成29年5月16日に消費者庁、農林水産省、環境省、厚生労働省の連名で『飲食店等における「食べ残し」対策に取り組むに当たっての留意事項』が公表されました。
食べ残し料理を持ち帰る場合は、持ち帰りを許可するお店側の説明をよく聞き、食中毒リスクを十分に理解した上で、自己責任の範囲で行いましょうというものです。以下は、消費者・飲食店に向けられたものになります。

消費者向け(自己責任)

  • 持ち帰りは、刺身などの生ものや半生など加熱が不十分なものは避け、帰宅後に加熱が可能なものにし、食べきれる量を考えて、行いましょう。
  • 自ら料理を詰める場合は、手を清潔に洗ってから、清潔な容器に、清潔な箸などを使って入れましょう。また、水分はできるだけ切り、早く冷えるように浅い容器に小分けしましょう。
  • 料理は暖かい所に置かないようにしましょう。
  • 時間が経過することにより、食中毒のリスクが高まるので、寄り道をしないようにしましょう。また、帰宅までに時間がかかる場合は、持ち帰りはやめましょう。
  • 持ち帰った料理は帰宅後できるだけ速やかに食べるようにしましょう。
  • 中心部まで十分に再加熱してから食べましょう。
  • 少しでも怪しいと思ったら、口に入れるのはやめましょう。

飲食店向け(対応できる範囲で)

  • 持ち帰りの希望者には、食中毒等のリスクや取扱方法等、衛生上の注意事項を十分に説明しましょう。
  • 持ち帰りには十分に加熱された食品を提供し、生ものや半生など加熱が不十分な料理は、希望者からの要望があっても応じないようにしましょう。
  • 清潔な容器に、清潔な箸などを使って入れましょう。水分はできるだけ切り、残った食品が早く冷えるように浅い容器に小分けしましょう。
  • 外気温が高い時は持ち帰りを休止するか、保冷剤を提供しましょう。
  • その他、料理の取り扱いについて、注意書きを添えるなど、食中毒等の予防をするための工夫をしましょう。

ドギーバッグが利用できる店舗の目印

利用できる店舗の目印

食べ残しの廃棄による食品ロスを推進する飲食店等が、利用者に対して意思表示をすることができる「店舗用ステッカー」があります。(無料会員登録 PDFダウンロード可能)
「ドギーバッグ普及委員会」という委員会が普及活動を行っており、活動は下記のFacebookページで確認することができます。
<ドギーバッグ普及委員会Facebookページ>
このステッカーがあるお店なら、利用者も恥ずかしがらずに「食べ残したものを持ち帰りたい」と言えそうですね。

ドギーバッグを利用する方のための「自己責任カード」

自己責任カード

食べ残しを持ち帰ることは恥ずかしいことではありません。むしろ、食品ロスのことを考えたとても良い行動です。
ですが、飲食店側は衛生管理の観点からどうしても持ち帰りを進めることが難しく、さらに消費者も恥ずかしさもあってなかなか言い出せないのが現状。
このような双方のギャップを取り除き、もっとスムーズに食べ残しの持ち帰りを行いやすくできるように、ドギーバッグ普及委員会から「自己責任カード」が発行されています。
お店側には「ドギーバッグのステッカー」があるので、双方が理解した上で食べ残しを持ち帰ることができます。
カードの取得にはドギーバッグ普及委員会への個人会員登録(有料)が必要ですので、持っていたい人はぜひ登録してみてください。意外と出番があるかもしれませんよ。
https://www.doggybag-japan.com/member

 

SDGs12の目標(つくる責任 つかう責任)ターゲット12.3「小売・消費レベルにおける世界全体の一人当たりの食品ロスの廃棄を半減させ、収穫後損失等の生産・サプライチェーンにおける食品ロスを減少させる」を達成するための取り組みでもある「ドギーバッグ」。
他の目標「2,4,8,9,13,17」にも効果・同時達成につなげることができるので、日本でも大きく広がってほしい取り組みです。