ヒュッゲ(HYGGE)は地球にも人にも優しい言葉
デンマーク語のHYGEE(ヒュッゲ)は、デンマークの人が大切にしている、時間の過ごし方や心の持ち方を表す言葉。
心地よい時間、暮らしを楽しむ姿勢、それによって生まれる幸福感。それがヒュッゲです。
この言葉・考え方を知る前に、まずはデンマークの特徴を知っておきましょう。
デンマークの特徴
幸福度の高い国として有名なデンマークですが、それは金銭的な部分での幸せという訳ではありません。
デンマークの特徴として有名なのが「税金が高い」ということ。
税金が高ければあまり嬉しくはないはずですが、その分社会保障が充実しています。
その他さまざまな特徴があるのでご紹介します。
充実した社会保障が整っている
- 教育費が大学まで無料
- 医療もすべて無料
- 出産費無料
- 充実した高齢者サービス
- 貧富の差が小さい
- 自然がいっぱい
あまり良いイメージじゃない点
- 物価や税金が高い
- 夜が長い
- 寒い冬が長く続く
出産や学校、ケガや病気、働けなくなった高齢時のサービスなど、どうしてもかかってしまうお金の部分を、税金でまかなう社会保障。
その分税金は高くなってしまいますが、幸福度が高いということは、この制度が国民に喜ばれているという証です。
税金が高いって、どのくらい高いの?
年によって違いがありますが、2019年では下記のような%で税が徴収されています。
- 消費税(付加価値税)25%
- 所得税60%前後(所得総額により違いがある)
- 車の購入に150%の税金(140万円以下の車の税率は105%)
※車の購入には、さらに消費税25%も必要です。
日本の場合は
- 消費税10%
- 所得税20%~(所得総額により違いがある)
- 車の購入では「環境性能割」「自動車重量税」「自動車税」で1~5%程度必要。
※車の購入には、さらに消費税10%も必要です。
税金が安い国と高い国との違い
ヨーロッパのような高い税率で手厚い社会保障制度を充実させるには、社会が発展・成熟してからでなければ難しいです。
税率を安くする理由は国によって様々ですが、社会保障を充実させるよりも、社会自体の発展を優先させていることが大きな理由です。
・経済成長が安定しているため、社会保障のために消費税を高くする必要がないから(カナダ)。
・社会保障に頼らず、自立して生活する考えが国民にあるから(台湾)。
日本の消費税率は10%で、世界と比較すると安い方に入りますが、軽減税率・ゼロ税率の対象商品が少ないため、消費税を高くして多くの商品に軽減税率・ゼロ税率を適用しているヨーロッパと比較すると、実際のところ「日本は消費税が安い」とは言い切れません(デンマークは軽減税率を導入していません)。
どんな商品に何%の税金が掛っているかを調査すると、国民が実際に支払う税額が低くなる国もあるようです。
ヒュッゲの考え方
ヒュッゲの話とは大きく脱線している様に思いますが、上記のような税率が高く、社会保障が充実している国であれば、いずれヒュッゲの考え方に辿り着くのではないのかと、この記事を書いている私は思います。
では、ヒュッゲとはどのようなものなのか、簡単にまとめてみます。
- 家族や友人との時間・絆を大切にする
- 季節や時間の流れを意識する
- 飾らない、気取らない、無理をしない
- 自然を身近に感じる
- 物を大切にする
- 心地良い空間で生活する
- 無駄をなくした暮らし
- 手作りのぬくもりを感じる
- 仕事とプライベートを分ける
- 今あるものに感謝する
どれを見ても「リラックス」「余裕」「シンプル」を感じるものばかりです。
ここに幸せのヒントがあるのかもしれません。
日本でもヒュッゲの考え方を取り入れて生活する
多くの情報を見聞きし、仕事に追われ余裕がなく、日々のタスクをこなすだけで一日が終わってしまう。
そして、人間関係に疲れ、ストレスを感じながら、生きる上でそんなに必要ではないものを購入・消費してしまうような生活を繰り返していると、大切な何かを見失ってしまいそうです。
無理をせず、見栄を張らず、時間の流れを意識し、物を大切にし、自然と触れ合い大切にする生き方。
この考え方であれば、ゴミも少なく、自然環境を想って生活できるでしょう。
それは、地球にやさしく・人にやさしい生き方のように思えます。
デンマークとは少し違うかもしれませんが、日本でもそんな地球にやさしい生き方ができるはずです。
税制や社会保障をそのまま日本がマネをすることは難しいですが、ヒュッゲの考え方を取り入れて、日本に合った生活の仕方を見つけてみるのはいかがでしょうか。