投稿日:2020年07月20日/更新日:2020年11月27日
リサイクルには3つの方法がある
いつもコンビニやスーパーで購入するペットボトル飲料。
これをリサイクルする場合、日本ではサーマルリサイクルというリサイクル方法がほとんどで、皆さんが想像している「リサイクル」とは違います。
サーマルとは「熱の」という意味で、ペットボトルを燃やした熱エネルギーで発電したり、温水プールに利用したりします。
燃やすんです。
燃やすけれども、熱を利用するからリサイクルに当てはまるんです。
皆さんが想像するリサイクル方法だけがリサイクルではない
皆さんが想像するリサイクルは、おそらく「マテリアルリサイクル」や「ケミカルリサイクル」になります。
先に記載した「サーマルリサイクル」も含めて、それぞれどんなリサイクル方法なのかを見てみましょう。
マテリアルリサイクル
マテリアルリサイクルは、製品から製品へ生まれ変わるリサイクル方法で、誰もが想像するリサイクルの方法だと思います。
廃プラスチックをプラスチック製品の原料として再利用します。
例えば、使用済みのペットボトルからボールペンなどの文房具をつくったりすることです。
でも、このリサイクル方法は、リサイクルをする度にプラスチックが劣化していきます。プラスチック自体の品質が徐々に落ちるので、品質の落ちないリサイクル方法として、次のケミカルリサイクルが利用されています。
ケミカルリサイクル
ケミカルリサイクルは、廃棄されたプラスチックを一度化学的に分解して、化学製品の原料として再利用するリサイクル方法です。何度でも再生できるメリットがあります。
例えば、廃プラを油・ガス・コークス炉化学燃料にして再利用する方法です。他にも、廃食用油を石鹸にしたり・廃棄される食べ物を飼料にしたりや、家畜の糞尿をバイオガス化するなど様々です。
しかし、一度科学的に分解する工程が必要なため、大掛かりな工場や資金、エネルギーが必要になります。そのため、日本国内のリサイクル方法ではケミカルリサイクル率がとても低いのが現状です。
サーマルリサイクル
サーマルとは「熱」のこと。熱エネルギーを再利用するというリサイクル方法です。
例えば、プラスチックごみを焼却して、その時の熱エネルギーを再利用し、火力発電を行うもので、ゴミを利用して発電することから「ごみ発電」と言われています。
特にプラスチックの原料は原油なので、高熱でよく燃えます。サーマルリサイクルとして、とても活用しやすいゴミ素材です。
このサーマルリサイクルは日本国内で50%以上のリサイクル手法として利用されています。
分別しても、すべてがマテリアルリサイクルやケミカルリサイクルされるわけではないんですね…
リサイクルにはお金がかかる
プラスチックはさまざまな製品で利用されていますが、プラスチックだけで構成された製品ばかりではありません。
ペットボトルであれば中身に液体があります。お弁当の入れ物であれば食べ物が付いていたりします。
家電であれば機械やネジが付いていたり。
完全にプラスチックにするために、手作業でキレイにしたり、分別したりすることもあります。
または分別するための大規模な設備がありますが、これらの処理にはお金がかかります。
設備、電気、人件費です。
日本ではこのリサイクルを国内で行うよりも、海外で処理した方が安いことから、プラごみの輸出を長い間行っています。
海外の安い人件費で処理しようというものです。
しかし近年、海外の経済成長と共に、プラごみの輸出ができなくなってきています。
バーゼル条約でのリサイクルに適さないプラごみ輸出の規制は2021年から始まる予定で、日本のプラスチックごみの行き場所がなくなっているんです。
国内のプラごみ処理体制を整える必要がありますが、世界では「脱プラスチック」の動きや、なるべくゴミを出さない「リデュース」「リユース」など、さまざまな手法でプラごみ削減の動きが目立ってきている様に思います。
日本のためにも、地球のためにも、家庭や会社内ではなるべくゴミを出さないリデュースに、まずは取り組んでみましょう。